都ちゃんのこと、忘れない。
この時期にしては暖かな日、動物病院へと車を走らせながら
心に決めていた。先生に診てもらったらこの子を家に入れて
飼おうと。これ以上野良では生きていかれない。こんなに
弱っているのだから。
黒と白のめす猫。夏頃から時々ミヤオといっしょに餌をねだりに
来るようになった。やさしい声で鳴く、かわいい子。
”ミヤオの彼女なの? じゃあ、みやこ、だね。”
2匹並んで食べている姿はほほえましかった。
朝晩めっきり寒くなってからは、なんだか元気がないようにも
見えた。食もだんだん細くなっていく。少しでも元気になって
ほしくて、ミルクをあげても少ししか口にしない。
ある寒い朝、よろよろと座り込んでしまった。
急いで玄関に入れた。ダンボールにタオルを何枚も敷き、
夜は湯たんぽも入れた。病気かもしれないのでサスケのいる
室内に移すわけにはいかなかった。今度の休みの日、病院へ
行こうね。
25日の朝、一番に病院へ行った。先生は暗い顔をして、
とにかく検査するので預かります、と言った。私も用事が
あったので都ちゃんを置いていった。今度迎えに来る時は
私の娘にするんだ、と思って。
夕方携帯が鳴った。容態が急変したと。急いで病院に
向かったけど、ダメだった。静かに横になっている都ちゃんが
そこにいた。白血病だった。鼻も、肉球も白いでしょ・・
いろいろ説明してくれたが、頭の中は真っ白だった。ただ、泣けた。
やさしく、かわいかった都。ごめんね、なにもしてあげられなくて。
今日が一周忌。

(都ちゃんの静止画がなく、動画から絵にしたものです)

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